LCCを利用する際に気になるのが、各旅行会社の提供する宿泊施設を伴ったツアーパックと自力手配ととの価格差です。正直なところ、どちらが絶対安い!と断言することはできません。どちらにも一長一短の良さがあるからです。

閑散期であれば、ツアーパックの方が安い場合もあります。一方でGWやお盆など、利用者が多い時期では非常に高額でむしろ高くつくこともあるほどです。他方、LCCの方もGWといった繁忙期は価格が上昇し、かなり早い段階で早割は完売となってしまいますから、一概に安いのだ、と断言できないのもたしかだからです。

LCCが利用可能な空港が限られている事もあり、地域に依存してしまうことも理由の一つでもあります。

とはいえ、それでは記事になりませんので、一般化できる範囲で少しまとめますと、ツアーパックとLCCには以下の様な特徴で分ける事ができます。

ツアーパックがお得なのは、
・比較的短距離の移動であること
・地方のハブ空港がない場合
・飛行場から主要都市までが遠く、宿泊地への距離が一定以上あるなど不便な場合
・旅行まで時間がない(LCCの割引券が売り切れている)がツアーパックは残っている場合
が条件になります。

ここでいうツアーパックとは、往復の航空券(あるいは新幹線のチケット)と宿泊地がパックになっていて、それ以外は自由時間としてフリーで旅行できる出張や個人旅行者向けのツアーパックのことを指します。

特にツアーパックがお得なのは青森や岩手といった東北圏、LCCがあまり発着していない日本海側、そして名古屋といった新幹線や鉄道がすでに発達している地域です。もともと新幹線での利用者が多いこともあり、ツアーパックで手配した方がお得に旅行へ行くことが出来ます。

例えば青森に行きたいという場合は、深夜バスがやはり一番お得です。飛行機でLCCの運航は名古屋行きのものしかなく、JALかANAを利用する事となる為、かなり割高になってしまうからです。羽田発のパック旅行も、最安値は2万円弱です。

新幹線のパックでも最安値はだいたい26,000円程度ですから、羽田駅までの交通費を考えればほぼ同価格ですよね。ただし、名古屋発着のLCCがあるので、もし名古屋にお住まいの方は青森は非常にお得になります。別の記事に纏めましたのでそちらをぜひご覧くださいね。

さて、ツアーパックについてみてきましたが、LCCとホテルを自力手配した方がお得なのは、
・地方のハブ空港にLCCが発着し、アクセスが良い
・新幹線などの移動手段を利用すると乗り換え等が必要で少々距離がある場合
・時間に余裕があり、選択肢が少なくても対応できる
が条件です。

LCCの自力手配が特にお得なのは、九州・北海道・四国・沖縄といったLCCが運航している主要都市です。四国や九州、北海道はどのみち橋やトンネルを渡らなければなりません。北海道へも新幹線は通りましたが、どちらにせよすでに飛行機が発達しているので利用するとお得です。

広島などでも、往復新幹線のツアーパックで25,000円程度ですが、LCCのスプリングジャパン(春秋航空)は片道6500円程度で運航しています。東京までの交通費1500円、広島空港から広島駅までのリムジンバスの交通費約1500円を加味しても、同じ予算で宿泊費を約1万円分ほど確保することが出来ますから、ホテルが固定のツアーパックよりも自分好みにカスタマイズすることが可能です。

このように、相場を知ってから自力手配することで、ツアーを利用する場合の旅費よりも半額以下に抑えて旅行する事も不可能ではなくなるでしょう。